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STF(特別な技術的特徴)に関する問題(5/29) [国内法・国内判例など(JP:特許)]

STF(特別な技術的特徴)に関する問題

多分私が不勉強なのだからだと思うが、どうもSTF(Special Technical Feature)に関して理解できていないので、自分の後学のため、疑問点をクイズ形式で記載しておく。

【法文】
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【特許法第37条】
 二以上の発明については、経済産業省令で定める技術的関係を有することにより発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するときは、一の願書で特許出願をすることができる。

【特許法施行規則第25条の8】
 特許法第三十七条の経済産業省令で定める技術的関係とは、二以上の発明が同一の又は対応する特別な技術的特徴を有していることにより、これらの発明が単一の一般的発明概念を形成するように連関している技術的関係をいう。

2 前項に規定する特別な技術的特徴とは、発明の先行技術に対する貢献を明示する技術的特徴をいう。

3 第一項に規定する技術的関係については、二以上の発明が別個の請求項に記載されているか単一の請求項に択一的な形式によって記載されているかどうかにかかわらず、その有無を判断するものとする。

【特許法第17条の2第4項】
前項に規定するもののほか、第一項各号に掲げる場合において特許請求の範囲について補正をするときは、その補正前に受けた拒絶理由通知において特許をすることができないものか否かについての判断が示された発明と、その補正後の特許請求の範囲に記載される事項により特定される発明とが、第三十七条の発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するものとなるようにしなければならない。
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(STF(特別な技術的特徴)とは何を示すか?)

【前提】
 A+Bからなる発明において、Aの構成が公知技術であれば、「B」がSTFになるものとするのが特許庁見解であると私は理解している。例えば、
 請求項1:A+B
 請求項2:A+B+C
 ・・・
 請求項n:A+B+C+・・・+Z
のクレームがあった場合に、構成Aが公知であり、「B」がSTFになるものとすると、「B」を含む請求項1~nは、全て「単一性の要件を満たす一群の発明」に該当すると判断することに、疑いはないものと思う。

【Q1】
 では、順番を入れ替えただけの、
 請求項1:A+B+C+・・・+Z
 請求項2:A+B+C・・・+Y
 ・・・
 請求項n:A+B
のクレーム構成にした場合はどうか?
 構成A(のみ)が公知であれば、請求項1のSTFは、「B+C+・・・+Z」になるのか、あるいは「B」となるのか。前者であれば、「B+C+・・・+Z」を含まない請求項2~nは、全て「単一性の要件を満たさない発明に該当することになり、後者であれば「B」を含む請求項1~nは、全て「単一性の要件を満たす一群の発明」に該当することとなる。
 いずれの考えが正しいのか?あるいは両方(出題者が)おかしいのか?

【Q2】
 請求項1のSTFが「B+C+・・・+Z」であると判断するのであれば、クレームの記載順序で単一性の判断が変わってくることになり、「クレームaはbに対して単一性があるが、bはaに対して単一性なし」、という奇妙な結果になってしまうように思うが、矛盾はないか?(例えば商標aはbに類似するが、bはaに対して非類似とする関係と同様)

【Q3】
 現行審査基準では、請求項1にSTFがない場合のペナルティがあまりに大きい。そのため、出願人サイドにおける一般的な対策として、
 (1)請求項1は、十分な先行技術調査を行なって新規性があるものとすること、
 (2)請求項2では、発明のキーとなるような事項を記載すること、
 (3)直列的な従属関係にある請求項は、発明の課題を同一にすること、
 などが提唱されている。上記(1)などはSTF導入以前でも当り前のことであるが、単一性という方式的な事項に対処するために、(2)、(3)のような実体的な保護範囲に制約をかけるという姿勢は、状況に応じては、本末転倒となるような気もする(法律と運用がそうなので、コスト面から仕方ないという意見も理解はできるが)。
 ところで、上記「請求項1:A+B+C+・・・+Z」を起草するのであれば、「請求項1:A+B」を記載するよりも、請求項1がSTFありと認められる可能性が高いように見えるが、そのような実務を行なうことに関して、どう思うか?

椿特許事務所
[弁理士TY]

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